稲田朋美センセイ「反日映画だ!」と、こぶしを振り上げ政治圧力

3/12 http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY200803120422.html

 靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画靖国 YASUKUNI」の国会議員向け試写会が12日夜、都内で開かれ、約80人の議員らが出席した。試写を求めていた自民党稲田朋美衆院議員は「偏ったメッセージがある」と話し、映画に政府出資法人から助成金が出されたことの是非を、さらに検証し続ける姿勢を示した。

 会場となった都内のホールには、(中略)自民、民主、公明、社民の各党派の議員40人と、代理出席で自民、民主、共産、国民新党秘書約40人が出席。計約80人のうち、自民が50人以上を占めた。(中略)2時間の試写終了後、報道陣に囲まれた稲田議員は「助成金にふさわしい政治的に中立な作品かどうかという一点で見た」としたうえで、「靖国神社が、侵略戦争に国民を駆り立てる装置だったというイデオロギー的メッセージを感じた」と語った。

 ただ、試写を見た自民党*1島村宜伸衆院議員は「一貫したストーリーを見せるというよりは、様々な場面をつなげた映画。自虐的な歴史観に観客を無理やり引っ張り込むものではなかった」とした。また、民主党横光克彦衆院議員は「戦争の悲惨さを考えさせる映画だが、むしろ靖国賛美6割、批判4割という印象を受けた」と話した。

 映画は4月12日から都内と大阪の計5館で公開予定で、昨年12月からマスコミ向け試写が始まっていた。映画の中で南京事件の写真が使われていることなどから、週刊誌などが「客観性を欠く」「反日映画」などと報道。政府出資の基金から助成金が出ていたことも問題視した。これを受け稲田議員は「助成が適切だったかどうか、議員として検証したい」とし、同議員が会長を務める自民若手議員の勉強会「伝統と創造の会」と、同じく同党議員でつくる「平和靖国議連」との合同の試写会を、文化庁を通じて要請していた。

 監督側とアルゴ社は「検閲のような試写には応じられない」として、逆に全議員を対象に、今回の異例の試写会を開くかたちになった。稲田議員は製作会社が出していた助成の申請書類一式も文化庁を通じて取り寄せており、「助成金の要綱なども確認し、適切だったかどうかまた検討したい」としている。13日午前には、自民党本部で文化庁の職員を交え、伝統と創造の会と平和靖国議連との合同で「勉強会」を開く。

出遅れましたが取り上げておこうと思います。記事の中の「客観性を欠く」「反日映画」だと報道した週刊誌とは、あの週刊新潮のことだそうですね。なんだか自称保守の稲田朋美議員は「助成金にふさわしい政治的に中立な作品かどうかという一点で見た」と自分達のやっている政治圧力を正当化しているようだけど、稲田議員は映画を見てもいないうちから「偏ったメッセージがある」と批判し検閲とも受け取られかねない試写を要求したり、「靖国神社が、侵略戦争に国民を駆り立てる装置だったというイデオロギー的メッセージを感じた」と騒いでいるところをみると、裏の目的がみえてきますね。

例えば、*2靖国右翼からの要求を受けることで支持団体の組織票を今のうちから固めておくことだったり、世論を煽動することで反日映画だという認識を広めることだったり、問題化させることで靖国神社を称賛しない文化活動は日本芸術文化振興会の支援対象外とする審査基準をつくらせることだったり(ry

だいたい、この人達の言っている「反日」ってなんでしょう。靖国神社が現在かかえている様々な問題が記録映画によってあからさまにされることを恐れ「反日」とレッテルを貼って攻撃し「表現の自由」を規制するような圧力を加え人々の目と耳をふさごうとすることの方がよっぽど国民を侮辱した反日活動だと思うんだけど。

稲田朋美センセイの矛盾した発言を以下にメモ

■「表現や言論の自由を奪う平成の治安維持法にふさわしい危険性を含んでいる。」と人権擁護法案を批判。
ソース:http://jp.youtube.com/watch?v=UdKSs3Z23EA


■「総理(小泉)が就任後一貫して靖国神社に参拝され、予算委員会において『日本人の心の問題だ』と答弁されたのは大変立派であると感謝しています。」と、靖国は政治問題ではなく心の問題だから他国からとやかく言われる筋合いは無いという小泉元首相の持論を絶賛。
ソース:http://www.inada-tomomi.com/dento-souzou/d_20060330.html

関連リンク

参議院議員増子輝彦氏のブログ
映画「靖国」 - ましこノート
>内容は意外と穏やかなドキュメンタリタッチのもので、自民党右派議員が目くじらを立てる程でもなかった 。
>自民党の議員が何故、反靖国とか反日とか神経質になるのか理解出来ない。


■北京週報・李纓監督インタビュー
靖国神社ドキュメンダリー映画の制作が初めて完成 -- pekinshuho


■3/13 asahi.com:映画「靖国」の助成、文化庁「取り消しは難しい」
【魚拓】asahi.com:映画「靖国」の助成、文化庁「取り消しは難しい」 - 社会


【追記】
右翼団体からの抗議を恐れ都内の映画館1館が上映自粛に追い込まれました。
問題化させることで「表現の自由」を妨害した稲田は氏ね恥を知れ!
3/18 http://www.asahi.com/national/update/0317/TKY200803170376.html
>来月公開予定のドキュメンタリー映画靖国」をめぐり、都内の映画館1館が、予定していた上映を取り
>やめることを決めた。「問題が起こる可能性もあり、総合的に判断した」としている。

*1:DQN系右翼雑誌「正論」に登場する島村宜伸氏からみてもこの発言です。

*2:神社新報:反靖國映画波紋広がる 協力者らも憤慨の声http://www.jinja.co.jp/article/001-002581.html