官房機密費をもらっていた三宅久之

植草一秀氏のblog*1阿修羅掲示板などで、5月16日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」のなかで、三宅のじいさんが官房機密費を貰っていたことを自白している、と書いてあったので動画を確認してみました。どうやら、官房機密費とは知らず講演料として受け取ったことがある、というのが真相のようですね。

なぜ、わざわざ確認したのかといえば、植草一秀氏のblogや阿修羅掲示板界隈の人達が副島隆彦氏を持ち上げたりするなど、うさんくさい陰謀論に非常に親和的な人が多く*2アジテーションたっぷりに敵対する相手を叩くという、その単純な二項対立の手法は、こちらが思考することを奪われそうになるぐらいわかりやすく、そのぶん随所に眉唾な話があるわけでして。(これは愛国を売りにしている騒々しい論者にもいえることですが。)

少し話が逸れましたが、まぁ、そんなことで確認してみたことを以下メモしておきます。


■2010年5月16日放送の「たかじんのそこまで言って委員会
(動画)http://www.youtube.com/watch?v=cdM_I7-4-Y4
(動画)http://www.youtube.com/watch?v=hCG_PAdP4no
(動画)http://www.youtube.com/watch?v=q7BBgjjchK0(追記:現在こちらだけで見れるようです)
(文字おこし)http://www.asyura2.com/10/senkyo86/msg/484.html

【機密費問題】「たかじんのそこまで言って委員会」にて
投稿者 サラヴァ 日時 2010 年 5 月 16 日 18:39:49: 0ZE/3zygJ4YoM

三宅『藤波孝生っていう私が学生時代から知っている男だけどね。
彼が官房長官になった時、たしか年の暮れだったの。
それで電話かかってきて、新年に講演の口を二つ頼まれてると、
だけど官房長官は東京離れるわけにいかんから、
三宅さんよかったら肩代わりしてくれないか、行っただけの話しなんですよ。
そしたら藤波さんの事務所から、議員秘書が届けてきた。
私はその時、内閣機密費なんてもんは、全然一瞬も考えないで貰ったんですよ。
それが出たって話は後で聞いたけどね。取り消すほどのものではないからほっといたけどね。』


同番組に出演した、ジャーナリスト・上杉隆の発言の要約

  • 今回は野中広務さんという(小渕内閣の)官房長官をやった人で直接渡した人が証言したわけですから、これは証拠になるわけです。
  • 官房機密費はあって当然なんですが、問題はジャーナリズム側に渡ることは世界中でやってはいけないルールなんですね。公的法人とか公職についている人間だったらまだしも、メディアの人間がそういう権力からもらってはいけないわけです。
  • アメリカでも5ドルルールとか2ドルルールとかありまして。例えば、スターバックスのコーヒーとか3ドルまでならいいけどそれ以上の金銭・物品供与を受けたら、これジャーナリズムとして失格なんでそれで終りなんですね。官房機密費っていう国民の税金をマスコミ側の人間が何十万円単位でもらった瞬間、本来はその場で筆を折るか番組を降板するかしない。
  • 出てきた官房機密費を渡した人のリストはある。だが、政府が都合の悪いジャーナリストを陥れる為に名前載せる可能性もある、更には官房長官が抜いて、帳尻合わせるために別の名前を使う可能性もある。そういう可能性があるからこれは出せないわけです。

関連リンク


■官房機密費の実態(3)
(2010年5月10日にTBSニュースバード(CS)で放送された「〜官房機密費の実態〜」)
(動画)http://www.youtube.com/watch?v=4pwYi_CwZ2c
(文字おこし)http://okrchicagob.blog4.fc2.com/blog-entry-228.html


■【上杉隆】大手メディアが報じない官房機密費
(2010年05月04日 神足裕司 上杉隆 小島慶子
(ラジオ)http://www.youtube.com/watch?v=TrSIHYr3zkI


2010/4/28 機密費、評論家にも 野中元長官、講演で証言- 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-161420-storytopic-3.html

 野中広務官房長官は、23日に那覇市内で開かれたフォーラムの基調講演の中で、自身が長官在任中(1998年7月〜99年10月)、先例に従い、複数の評論家に内閣官房報償費(機密費)から数百万円を届けていたことを明らかにした。
 野中氏は講演で「言論活動で立派な評論をしている人たちのところに盆暮れ500万円ずつ届けることのむなしさ。秘書に持って行かせるが『ああ、ご苦労』と言って受け取られる」と述べ、機密費からの提供が定期的にあったことを明かした。
 野中氏は自民党政権時代に、歴代の官房長官に慣例として引き継がれる帳簿があったことにも触れ「引き継いでいただいた帳簿によって配った」と明言。その上で「テレビで立派なことをおっしゃりながら盆と暮れに官邸からのあいさつを受けている評論家には亡くなった方もいる」と指摘した。一方で機密費の提供を拒否した評論家として田原総一朗氏を挙げた。
 官房長官の政治的判断で国庫から支出される機密費は、鳩山内閣が昨年11月に内閣として初めて2004年4月以降の小泉内閣から現在までの月別支出額を公表したが、使途については明かしていない。

<用語>内閣官房報償費(機密費)
 「国の事業を円滑に遂行するために状況に応じて機動的に使う経費」とされる。国庫からの支出は年間約12億円で、使途の不透明さが問題視されており、民主党は2001年に一定期間後の使途公表を義務付ける法案を国会に提出した。


2010/4/30 野中広務氏「官房機密費、毎月5千万〜7千万円使った」- asahi.com朝日新聞社
http://www.asahi.com/politics/update/0430/TKY201004300449.html

 小渕内閣で1998年から99年にかけて官房長官を務めた野中広務氏が30日、当時の官房機密費の取り扱いについて、「毎月5千万〜7千万円くらいは使っていた」と暴露した。首相の部屋に月1千万円、野党工作などのため自民党国会対策委員長に月500万円、参院幹事長にも月500万円程度を渡していたほか、評論家や当時の野党議員らにも配っていたという。都内で記者団に明らかにした。
 野中氏はさらに「前の官房長官から引き継いだノートに、政治評論家も含め、ここにはこれだけ持って行けと書いてあった。持って行って断られたのは、田原総一朗さん1人」と述べた。
 与野党問わず、何かにつけて機密費を無心されたこともあったという。「政治家から評論家になった人が、『家を新築したから3千万円、祝いをくれ』と小渕(恵三)総理に電話してきたこともあった。野党議員に多かったが、『北朝鮮に行くからあいさつに行きたい』というのもあった。やはり(官房機密費を渡して)おかねばという人と、こんな悪い癖がついているのは絶対ダメだと断った人もいる」とも語った。
 いまになってこうした話を明かす理由について、84歳の野中氏は「私ももう年。いつあの世に行くか分からんから。やっぱり国民の税金だから、改めて議論して欲しいと思った」と説明した。
 鳩山政権では、平野博文官房長官が官房機密費の金額を公表しているが、その使途は明らかにしていない。野中氏は「機密費自体をなくした方がいい」と提案した。(蔭西晴子)