自民党提案の旧植民地出身者の権利向上を求める意見書が採択

碧猫さんから『Gazing at the Celestial Blue 日本の地方議会で『慰安婦』問題解決を求める意見書採択は現在29箇所』というTBをもらったんだけど、地方議会で採択された意見書について少し検索してみたら、6月25日、さいたま市議会の最大会派である自民党さいたま市議会議員団の副団長・井上洋平議員*1が提案していた「『韓国併合』100年を迎え信頼と希望の100年を築き上げていくための意見書」というものが賛成多数で採択されていた。


委員会提出議案第6号『韓国併合」100年を迎え信頼と希望の100年を築き上げていくための意見書
平成22年6月25日提出 さいたま市議会総合政策委員会 委員長 井上洋平
(pdfファイル)http://www.city.saitama.jp/www/contents/1277686207249/files/iinkaiteishutugiandai6gou.pdf

 本年、「韓国併合」100年という歴史的な節目の年を迎えました。
 1910年から35年間にわたる植民地政策の下、多くの人々が莫大な損害を被り、
計り知れない苦痛を味わってきました。
 こうした歴史的背景を持つ旧植民地出身者及びその子孫について、これまでその法
的地位の改善と権利の向上が図られてきましたが、その問題は今日においても十分に
は解決されていません。
 世界人権宣言では、「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることの
できない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎である」
とその前文にうたい、第1条では、「すべての人間は、生まれながらにして自由であ
り、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられてお
り、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない」としています。
 日本列島と朝鮮半島に暮らす全ての市民が、この100年の歴史を踏まえ、対話と
協力を通した心からの相互理解に基づき、信頼を深めていくことにより、人権と民主
主義という普遍的価値に基づき、北東アジアの平和と繁栄、安定をもたらすことを希
望するものです。
 過去の歴史を踏まえ、これからの100年を信頼と希望の世紀としていくためにも、
わが国政府と国会においては、日韓両国において懸案となっている課題の解決に向け
た積極的な取組を進めることを強く要望するものです。
 以上、地方自治法第99条により意見書を提出します。


本会議で『「韓国併合」100年を迎え信頼と希望の100年を築き上げていくための意見書』の説明をする自民党・井上洋平議員

民団新聞によれば、同市議会は議員定数64人で、自民党20、民主党13、公明党11、共産党8、みどりの風さいたま6、さいたま未来の会4、無所属2の構成。採択には在籍市議64人中62人が賛成(欠席1、反対1)したとのこと。*2


地方議会とはいえ、さすが国政ではなが年、政権与党として1993年8月4日に河野談話、1995年8月15日に村山談話と、この既定路線を踏襲し、最近ではタモさんをクビにするなど一定の責任感を示してきた政党だけのことはありますね。ブレがありません!*3(棒読み)


まあ、こうして何回か謝罪してみても、それを否定する議員を野放しにしているという問題はあるんだけどねー。

*1:自由民主党さいたま市議会議員団 > 所属議員紹介 > 井上洋平 http://www.jimin-saitama.jp/member/men_08.html

*2:2010.7.14 民団新聞:http://www.mindan.org/shinbun/news_bk_view.php?page=1&subpage=269&corner=8

*3:消費税は10%、法人税を下げ大企業を守る、米軍基地は沖縄に押し付ける、ほら、ぜんぜんブレない自民党!(超棒読み)