週刊新潮の偏向した日教組批難記事について。

週刊新潮 2008年10月9日号(2008/10/02発売)
▼「中山失言」日教組は「教育のがん」だけは正しかった

(クリックで画像が拡大しない場合はこちら:http://s03.megalodon.jp/2008-1010-0516-27/blog-imgs-19.fc2.com/d/j/1/dj19/no7jpg_convert_20081004055909_20081006001722.jpg
この週刊新潮の記事は、中山成彬氏が政界引退を発表した今月4日以前に発売された為、マヌケな中山失言擁護記事となっていますが、一部だけ抜き出してみると、

小林正
「中山氏は、日教組の醜さを身を以て知っています。日教組は教育のがんという発言は、私も同感。正論でしょう。」

松浦光修
「あそこまで日教組批判をされたことは、評価に値します。(中略)日教組による選挙運動が活発なところほど、総じて生徒の学力低い傾向があります。その点を説明すべきでした。」

日教組は教育のがん」とする見出しの結論にもっていくために(いつものことですが)反対側の声は一切載せず、「中山氏と親しい政界関係者」という謎の人物と、「教育評論家」と称して小林正氏、「日教組問題に詳しい」人物と称して松浦光修氏の3氏の声だけを載せています。しかも新たな珍説「教組による選挙運動が活発なところほど、総じて生徒の学力低い傾向があります。」など垂れ流し状態です。なぜこういった日教組批難というのは、いつも実体の無いフィクションに自らのイデオロギーを絡めて行なわれているのでしょうか。


この小林正氏と松浦光修氏とはいったいどういった人物なんでしょう?


小林正(こばやし ただし、1933年4月24日 - )
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%AD%A3

横浜国立大学学芸学部哲学科を卒業。元新しい歴史教科書をつくる会会長。日本教育再生機構代表委員。教科書改善の会賛同者。日本の教育改革を進める会理事。「日本の教育改革」有識者懇談会(民間教育臨調)教育制度部会長。新しい憲法をつくる国民会議理事。日本文化チャンネル桜に出演。映画「南京の真実」の賛同者。
経歴
1982年 日教組の中でも右派に属する神奈川県教職員組合の委員長に就任。組合を労働組合から職能団体・互助会へ変質させることを目指した。

松浦光修(まつうら みつのぶ、1959年 - )
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%B5%A6%E5%85%89%E4%BF%AE

皇學館大学文学部教授。専門は日本思想史。新しい歴史教科書をつくる会理事であったが2006年4月30日をもって辞任。現在は八木秀次が理事長をつとめる日本教育再生機構の代表委員の一人。

あれ? 経歴をみると教科書や教育の問題に積極的に提言をおこなっている人物のようですが、教員経験はあっても2人とも教育学者ではありませんね。教育を語るうえで教育学の見識はもはや不要ということなのでしょうか。それと、知らない人のために書いておきますが、上記に出てくる「教科書改善の会」や「日本教育再生機構」(理事長・八木秀次)といった聞こえの良いネーミングの団体は、教科書採択率0.3%の「つくる会」でさんざん内ゲバを繰り返したあげく抜け出した人達によって立ち上げられた右翼・保守系の民間教育団体のことで、「日本教育再生機構」と「教科書改善の会」は賛同者の名前をみてもらえばわかる通り実質的には一体化した組織です。もちろん、メンバーには宗教右翼である「日本会議」の関係者が多数参加しています。

なんかいつも思うのですが、元左翼で右翼に転向したヤツって藤岡信勝氏といいホンカンさんといい、ほんとろくなのがいないですよねぇ…。