「集団自決」問題について補足

この産経の記事については、

6/10 http://sankei.jp.msn.com/life/education/090610/edc0906102117005-n1.htm
(魚拓)http://s04.megalodon.jp/2009-0614-0005-23/sankei.jp.msn.com/life/education/090610/edc0906102117005-n1.htm

Prodigal_Sonさんが反論のエントリをあげていて、

「集団自決」問題について(また)産経と世界日報が華麗なコンボ - 土曜の夜、牛と吼える。青瓢箪。
※星雅彦氏と上原正稔氏の対談と論考を載せた「うらそえ文藝」を読んだ方のblogへのリンクあり

「ここまで大々的にとりあげるってのはいかにも恣意的ですな。」と書いていてるのだが、まったく同感で、なんでいまさらとんでもない方向に素人をミスリードしようとするかなぁと。

つーことで、沖縄戦「集団自決」について大阪高裁判決の内容をここでいくつか確認しておくことにする。

判決では、

  • 梅澤氏、赤松氏による直接命令については、これを証するに足りる的確な証拠はなく、証拠上は真実性の証明はないとしながらも、虚偽と判断したわけではない。
  • 「自決するでない」と言ったとする梅澤氏の記憶については、戦後35年経って初枝氏と再開してから「喚起」されたものであり、その後、自らに都合のいいように「記憶の合理化や補足」「潜在意識による改変」「記憶の変容と創造」がなされ、自分でそう信じ込んでいるだけなのだと、主張を根本から否定している。
  • 沖縄ノート」については、記述、当時は真実と信じる相当な根拠があったと判断し、極端に愚弄、蔑視的な表現でもないと名誉毀損責任を否定している。
  • 産経新聞世界日報などが、「住民よ、自決するな!」と隊長は厳命したと大々的に宣伝した宮平秀幸新証言は、過去の証言との「矛盾」「不自然な変遷」「多くの証言との齟齬」などを根拠に「虚言」と断じている。
  • 軍命令は援護法適用の為に捏造されたという、これまた産経新聞世界日報などが大々的に宣伝した説は斥けられている。


■参考文献:2009年2月号『世界』p41〜56
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2009/02/directory.html
沖縄ノート」訴訟と表現の自由 松井茂記 (ブリティッシュ・コロンビア大学)
沖縄戦「集団自決」訴訟という虚構 史実の歪曲を退けた控訴審判決 目取真俊 (作家)


(追記)

「うらそえ文藝」に掲載された上原正稔氏の論考と星雅彦氏との対談記事はこちらのHPで確認できます。
http://keybow49okinawan.web.fc2.com/index.html

その論考と対談記事に批判を加えているblog
http://keybowokinawan.blog54.fc2.com/