「間違いだらけのエネルギー選び(ゲスト:飯田哲也)」文字おこし

6月2日に放送された爆笑問題のニッポンの教養「間違いだらけのエネルギー選び」を見ました。
ゲストは環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんです。
再生可能エネルギーについて語っている部分を文字おこしをしてみました。
なお、7日(火)午前1:30(月曜深夜)に再放送があります。

爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 | FILE146:「間違いだらけのエネルギー選び」 | 飯田哲也(いいだてつなり) | 2011年6月2日放送分 爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 | FILE146:「間違いだらけのエネルギー選び」 | 飯田哲也(いいだてつなり) | 2011年6月2日放送分


6月7日(火)午前1:30〜<総合>(月曜深夜)再放送予定です。
NHKオンデマンド 爆笑問題のニッポンの教養 NHKオンデマンド 爆笑問題のニッポンの教養で配信中。
出演
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
室山哲也(NHK解説委員)
爆笑問題


(ここから)

日本の電力構成


飯田「これが3.11(福島第一原発事故)前ですね。事故の後、止まったままの原子炉があるので、いまは原子力は20%ぐらいまで縮んでいます。」

室山「この縮んできている分をいまどうしようかと。」
太田「これ(新エネルギー)が伸びてほしいわけですね。」
室山「この新エネルギー(再生可能エネルギー)の1%をどのように増やしていけばいいのか。」


注目されている再生可能エネルギー(以下ナレーションより)

  • 太陽光

世界ではこの10年で20倍以上、伸びている。

  • 風力

音がうるさいのでトレンドは洋上風力。

  • 地熱

温泉大国ニッポン。日本の地熱資源量はなんと世界第3位。

かかる費用はグッと少なくて済みますが得られる電気もささやか。

生ゴミや藻(も)、トウモロコシなどから。ただし研究は発展途上。


飯田「太陽エネルギーだけでもわれわれが地球全体で使っているエネルギーの大体1万倍はふり注いでいるんで、量的には十分あるんですね。あとは時間の問題とか、あとは技術とかお金の問題とか。」

太田「そこの利害が問題ですよね。」

飯田「そこですよね。コストについてはこれが国が出しているエネルギー白書の最新版(経済産業省資源エネルギー庁 エネルギー白書 2010)なんですが」

(左から太陽光、風力、地熱、水力、火力、原子力


飯田「実はこれ10年前のデータで、太陽光はいまは30円ぐらいまで下がっています。なおかつハイテク装置なので普及すればするほどどんどん安くなっていきます。だいたい毎年10%ぐらい安くなっている。
火力は原油、石炭の値段が上がっているのでこれからどんどん上がっていく。
原子力はそもそも5〜6円というのは根拠が無くて、ちゃんと計算したら15〜16円くらいだろと言われている。それに、これから安全基準を高め、それに対応する費用、それと何兆円とも言われる事故の補償費用を盛り込むと、原子力はこれから高くならざるを得ない。
このトレンドから考えたら、どちらがアリで、どちらがキリギリスかというのは、もう一目瞭然です。」

田中「ソーラーシステムが伸びていかないのはなぜなんですか?」

飯田「いま自然エネルギーが世界的に伸びてきているのは、政治が増やすことを表明して政策を導入した国が次々と増やしています。」「ドイツはこれから10年で自然エネルギーを17%から35%に増やすといっています。日本も同じペースで増やせば10年で追いつけます。」


日本では2005年(小泉純一郎内閣時代)に太陽光パネル設置への国の補助金 26億円が打ち切られた。

太田「技術的には(太陽光や風力などの自然エネルギーを増やすことは)とっくに出来てておかしくないはずなのに、それでもまだ原子力なんだよっていうのは、いったい何なのかといったら金儲けじゃないですか。今まで大きな力を持ってきた組織が本当にこれやめておこうってなれるかどうか、ていうところですよね。」

飯田「去年自然エネルギーに世界で投資されたのは22兆円あるんですね。世界全体で見るとグリーンエコノミーのほうが原子力と3つの化石燃料、石炭、石油、天然ガスにもう勝ち始めている。世界的には第4の革命だというほどの認識で世界全体で爆発的に成長してきています。」


(ここまで)


■関連リンク

今こそ、エネルギーシフト――原発と自然エネルギーと私達の暮らし (岩波ブックレット)今こそ、エネルギーシフト――原発と自然エネルギーと私達の暮らし (岩波ブックレット)
飯田 哲也 鎌仲 ひとみ

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※(追記)買いました。この本は単行本でなく54ページから成る小冊子(ブックレット)で入門書的な感じ。内容としては第一章「福島第一原発事故がもたらしたもの」第二章「安全という神話」第三章「今こそ、エネルギーシフト!」といった構成です。自然エネルギーについて詳しくしたい方は飯田哲也さんの他の著書「自然エネルギー市場―新しいエネルギー社会のすがた」などがいいと思われます。