「なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち」

YouTubeなぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち なぜ警告を続けるのか〜京大原子炉実験所・"異端"の研究者たち

2008年10月、大阪・毎日放送MBS
出演:京大原子炉実験所の小出裕章、今中哲二など。


大阪府熊取町にある京都大学・原子炉実験所で原子力を止めることに役に立つ研究を重ねている専門家グループ・熊取6人組の小出裕章さんと今中哲二さんを中心に取材し制作された番組です。


以下、印象に残った言葉をメモしておきます。


小出裕章原子力発電というものは危険で都会には建てられない、そういうものだったわけです。そうなってしまえば、私としては、都会が引き受けられないような危険を過疎地に押し付けながら、その電気を起こすということ自身に反対するという、そういう選択しか私にはありえなかった。」


今中哲二「(チェルノブイリ事故によって)大阪府の2倍ぐらいの面積で人がすっぽりいなくなった、これはやっぱり大変な事態ですよね。それまで何百年、そこで生活してきた人々の文化、地域社会そのものがごっそりなくなってしまう。そういうことが、たったひとつの原発事故で起きてしまうわけです。」

今中哲二「ぼくは原子力開発の進め方が、そもそもボタンの掛け違いだったんじゃないかと思っています。というのは、事故が起きたらとんでもなく危ないモノを絶対安全ですということで始めたというのが、そもそもの掛け違いのもとだった。リスクを明らかにしながら、なおかつ進めていくというのが本来あるべき姿ではないか。」


都会に住む人たちに伝えたいことは何ですか?


六ヶ所村で生活する菊川恵子さん「六ヶ所村補助金交付金を受け取っているんだからいいじゃないか、という人もいるんだけれど、そうじゃなくて、核のゴミの問題というのは六ヶ所村だけの問題では無いと思うんですね。電気を使っている人、一人ひとりの責任だと思いますから、そこを考えてもらいたいと思います。」


■関連リンク
2011年04月30日 迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち 危険性を訴えたら、監視・尾行された | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社] 迫害され続けた京都大学の原発研究者(熊取6人組)たち 危険性を訴えたら、監視・尾行された | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]


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参議院USTREAM中継 脱原発への道 1/2 参議院USTREAM中継 脱原発への道 1/2
参議院USTREAM中継 脱原発への道 2/2 参議院USTREAM中継 脱原発への道 2/2
 小出裕章(参考人 京都大学原子炉実験所助教)
 後藤政志(参考人 芝浦工業大学非常勤講師)
 石橋克彦(参考人 神戸大学名誉教授)
 孫正義(参考人 ソフトバンク株式会社代表取締役社長)


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「間違いだらけのエネルギー選び(ゲスト:飯田哲也)」文字おこし

6月2日に放送された爆笑問題のニッポンの教養「間違いだらけのエネルギー選び」を見ました。
ゲストは環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんです。
再生可能エネルギーについて語っている部分を文字おこしをしてみました。
なお、7日(火)午前1:30(月曜深夜)に再放送があります。

爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 | FILE146:「間違いだらけのエネルギー選び」 | 飯田哲也(いいだてつなり) | 2011年6月2日放送分 爆笑問題のニッポンの教養 | 過去放送記録 | FILE146:「間違いだらけのエネルギー選び」 | 飯田哲也(いいだてつなり) | 2011年6月2日放送分


6月7日(火)午前1:30〜<総合>(月曜深夜)再放送予定です。
NHKオンデマンド 爆笑問題のニッポンの教養 NHKオンデマンド 爆笑問題のニッポンの教養で配信中。
出演
飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
室山哲也(NHK解説委員)
爆笑問題


(ここから)

日本の電力構成


飯田「これが3.11(福島第一原発事故)前ですね。事故の後、止まったままの原子炉があるので、いまは原子力は20%ぐらいまで縮んでいます。」

室山「この縮んできている分をいまどうしようかと。」
太田「これ(新エネルギー)が伸びてほしいわけですね。」
室山「この新エネルギー(再生可能エネルギー)の1%をどのように増やしていけばいいのか。」


注目されている再生可能エネルギー(以下ナレーションより)

  • 太陽光

世界ではこの10年で20倍以上、伸びている。

  • 風力

音がうるさいのでトレンドは洋上風力。

  • 地熱

温泉大国ニッポン。日本の地熱資源量はなんと世界第3位。

かかる費用はグッと少なくて済みますが得られる電気もささやか。

生ゴミや藻(も)、トウモロコシなどから。ただし研究は発展途上。


飯田「太陽エネルギーだけでもわれわれが地球全体で使っているエネルギーの大体1万倍はふり注いでいるんで、量的には十分あるんですね。あとは時間の問題とか、あとは技術とかお金の問題とか。」

太田「そこの利害が問題ですよね。」

飯田「そこですよね。コストについてはこれが国が出しているエネルギー白書の最新版(経済産業省資源エネルギー庁 エネルギー白書 2010)なんですが」

(左から太陽光、風力、地熱、水力、火力、原子力


飯田「実はこれ10年前のデータで、太陽光はいまは30円ぐらいまで下がっています。なおかつハイテク装置なので普及すればするほどどんどん安くなっていきます。だいたい毎年10%ぐらい安くなっている。
火力は原油、石炭の値段が上がっているのでこれからどんどん上がっていく。
原子力はそもそも5〜6円というのは根拠が無くて、ちゃんと計算したら15〜16円くらいだろと言われている。それに、これから安全基準を高め、それに対応する費用、それと何兆円とも言われる事故の補償費用を盛り込むと、原子力はこれから高くならざるを得ない。
このトレンドから考えたら、どちらがアリで、どちらがキリギリスかというのは、もう一目瞭然です。」

田中「ソーラーシステムが伸びていかないのはなぜなんですか?」

飯田「いま自然エネルギーが世界的に伸びてきているのは、政治が増やすことを表明して政策を導入した国が次々と増やしています。」「ドイツはこれから10年で自然エネルギーを17%から35%に増やすといっています。日本も同じペースで増やせば10年で追いつけます。」


日本では2005年(小泉純一郎内閣時代)に太陽光パネル設置への国の補助金 26億円が打ち切られた。

太田「技術的には(太陽光や風力などの自然エネルギーを増やすことは)とっくに出来てておかしくないはずなのに、それでもまだ原子力なんだよっていうのは、いったい何なのかといったら金儲けじゃないですか。今まで大きな力を持ってきた組織が本当にこれやめておこうってなれるかどうか、ていうところですよね。」

飯田「去年自然エネルギーに世界で投資されたのは22兆円あるんですね。世界全体で見るとグリーンエコノミーのほうが原子力と3つの化石燃料、石炭、石油、天然ガスにもう勝ち始めている。世界的には第4の革命だというほどの認識で世界全体で爆発的に成長してきています。」


(ここまで)


■関連リンク

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※(追記)買いました。この本は単行本でなく54ページから成る小冊子(ブックレット)で入門書的な感じ。内容としては第一章「福島第一原発事故がもたらしたもの」第二章「安全という神話」第三章「今こそ、エネルギーシフト!」といった構成です。自然エネルギーについて詳しくしたい方は飯田哲也さんの他の著書「自然エネルギー市場―新しいエネルギー社会のすがた」などがいいと思われます。