産経新聞が「NHKの大罪」なる、しょうもない意見広告を掲載。

すでにpr3さんが(こちら)で取り上げていますが、産経新聞NHKスペシャルJAPANデビュー」に抗議する主旨の意見広告を5月18日に東日本版に、翌19日には西日本版に、1ページ全段を使い掲載しました。
NHKを非難する声というのは、いままでも週刊新潮産経新聞世界日報といった、そうそうたる右派メディアが記事を掲載してますが、しかしこのバッシングいつまで続くんでしょうね。いつものように飽きるまで続けるつもりなんでしょうか(苦笑)



この「NHKの大罪」という大見出しを使った意見広告の拡大画像はni0615さんのところで確認できます。

チャンネル桜全面広告2009.5.18 - 15年戦争資料 @wiki - アットウィキ

この意見広告に「私達も賛同します」と名を連ねている国会議員、地方議員というのは次回の選挙で投票のときに参考になりそうですね(もちろん投票しない方で)。そして、最下段の広告主の欄には、

草莽全国地方議員の会、「NHKJAPANデビュー』」を考える国民の会、日本李登輝友の会台湾研究フォーラム在日台湾同郷会メールマガジン「台湾の声」、日本文化チャンネル桜二千人委員会、月刊「WiLL」

の名前が見られ、さらにその上には次のような訴えが載せてあります。

一、NHKは「JAPANデビュー」において、「やらせ」取材、歪曲取材、印象操作編集による偏向報道を行ったことを反省して訂正・放送を実行し、本シリーズの制作と放送を中止せよ。
一、NHKの番組制作担当者、広報担当者、経営者は、日本国民と台湾国民、全視聴者に謝罪し、全員辞任せよ。
一、放送法32条の「NHK視聴強制加入」を改正して自由契約を実施し、全国民のNHK受信料不払いを実現しよう。

NHKは「本シリーズの制作と放送を中止せよ」とか「全視聴者に謝罪し、全員辞任せよ」とかもう何処の恫喝団体かと…。そして、3番目に「放送法32条」を持ち出していますが、放送法3条に番組編集の自由「(放送番組は)何人からも干渉され、又は規律されることがない」が規定されていることは無視なんでしょうか。これって意見広告の言葉を借りれば「編集の過程で悪質な印象操作編集が行われた」てことになるんじゃない?(苦笑)

ツッコミどころは他にもありますが、もうめんどくさいので放置しておきます。

んで、代わりといっちゃーなんですが、産経新聞がカルトと癒着してると云われる所以が垣間みえる広告掲載履歴を載せてみます。せっかくなんで。
(とりあえず自分が知っているものだけを時系列順に並べてみました。)


▼1992年、産経新聞にカルト宗教団体「統一教会」の「私たちは“国際合同結婚式”を応援します」という広告を掲載。


▼2004年6月30日、産経新聞東京朝刊に、カルト宗教団体「幸福の科学」の雑誌「リバティー」の広告を3面に掲載。月刊誌「正論」8月号p205に幸福の科学出版の単行本「幸福の法」の広告を掲載。
参照:http://www.ch-sakura.jp/oldbbs/thread.html?id=282&genre=sougou


▼2007年8月、産経web版にカルト宗教団体「阿含宗」の広告を掲載。2007年10月号の月刊誌「正論」p202〜209には漫画家・さかもと未明が教祖の桐山靖雄を賛美している対談記事を掲載。
参照:http://d.hatena.ne.jp/dj19/20080720/1216565196


▼2008年1月20日の初回からシリーズで、カルト宗教団体「崇教真光」の広告を産経新聞フジサンケイビジネスアイiza!の共同企画として掲載。
参照:http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20080720


▼2008年11月11日、田母神論文アパグループの意見広告という形で掲載。


▼2009年5月18日、NHKJAPANデビュー」に抗議する意見広告を掲載。← ★今ココ


こうして見ると、産経が載せた今回の意見広告が、まったく違和感なくなるから不思議だわ(笑)


(5/21 10:30追記)このエントリは放送法32条について間違った解釈を書いていたので後から該当箇所を削除し追記を行ないました。