普天間移設問題と鳩山政権について

日本全国どこでも「自分のところに米軍基地はいらない」というのが本音なわけでしょ。なのに、沖縄県では長い間、知事や市長選挙で、基地受け入れの条件としての補償金である「振興策」という飴をぶら下げた自民党系候補者が当選することが多かったわけです。そこには、いくら基地に反対しても、いくら基地に反対しても、いくら基地に反対しても、けっきょく国から沖縄以外に無いという判断がなされる以上、「あきらめ」の心境や心理が大きく影響してきたとは想像にむずかしくないと思います。


そんな基地問題に転換を起こしたのは鳩山政権の誕生でした。なんせ、普天間基地の移設先に関して「最低でも県外」と言ってのけ、基地問題の呪縛を解いたわけですから。


しかしそれが、数ヶ月でこの有様です(しかも日米合意済み)。
「最低でも県外」を反古にした鳩山首相は「最低でも総理辞任」を - Afternoon Cafe

昨日、総理は再び沖縄入りして、「代替地は県内、(名護市)辺野古付近にお願いせざるを得ない」「私自身の言葉(県外移設)を守れなかったこと、県民に混乱を招いたことを心からおわびする」と仲井間知事に述べました。

実に県民を愚弄しています。(以下略)


住民にとってこれほど最悪な判断はなく、怒るのは当然でしょう。ろくに解決策も検討しないまま基地問題の呪縛を解いておいて、今度はいとも簡単にこれを撤回し、けっきょく基地を強いるマジョリティの側にまわったわけですから。


地元の期待を裏切ったぶん罪は重く辞任に値するとわたくしなどは考えます。そんな立場からから言わせてもらうと、もっとも批判されるべきは、アメリカ様にモノも言えず沖縄から米軍基地ひとつも撤去できない鳩山政権であり、同時に、これまでずっと基地を押し付けてきた自公政権なわけです。


しかしどうも、民主党や小沢さんの信者さん(たんなる支持者ではなく)のような方たちは、「マスコミの偏向報道」ばかりを問題視しているようです。(ゲンダイにいたっては基地反対の「県民大会の人数」にいちゃもんをつける始末*1。)


http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20100523

反鳩山政権キャンペーンを展開するマスゴミは/情報を無責任に垂れ流している。これらの偏向した情報に対しては、すべてが野党勢力=悪徳ペンタゴン派の反政府活動の一環であるとの基本を常に忘れないように/無責任なアジビラの一種であるとの認識を携えて記事に接すれば、偏向記事に汚染される危険をある程度除去できるはずだ。
(中略)
「無責任なアジビラ」「偏向記事」を書き散らしているのはどこの誰か。
「憶測というよりは願望、あるいは政府筋からの指示に基づく記事の掲載」をしているのはどこの誰か。


下野寸前の自民党末期にも、問題の本質が見えなくなり、ひたすらマスコミを敵視する自民党信者(たんなる支持者ではなく)の光景を見てきましたが、もうここまでくると傍からは愚かしく映ってるだけなんですがね…。