ナチス親衛隊のような衣装、氣志團に謝罪要求

「氣志團」がMTVジャパンに出演したときのテレビ衣装がナチス・ドイツの親衛隊（SS）の制服に似ているとして、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター*1」から2011年2月28日、MTVと氣志團のほか氣志團の所属するソニー・ミュージックアーティスツなどへ謝罪すよう抗議がされています。

で、これを報じた産経新聞の記事「ナチ制服姿でＴＶ出演〜」なのですが、読者をミスリードしようとしているのかわかりませんが…

2011.3.1　ナチ制服姿でＴＶ出演の「氣志團」に謝罪要求　ユダヤ人団体「文明国で許されない」- MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110301/amr11030107050001-n1.htm

1）記事の見出しが「ナチ制服姿でＴＶ出演〜」となっていますが、正しくは原文「SS-like」〜のような、〜に似た、です。

2）「なんだ、学ランで問題ないじゃん」とミスリードされている人達をちらほら見たのですが、掲載されている写真はMTVに出演したときのものとは無関係な、2004年紅白のときの学ラン風衣装の写真です。

■問題のMTVに出演したときの写真

Jewish Group Protests SS-like Uniforms of Japanese Rock Band
http://www.japanprobe.com/2011/03/01/jewish-group-protests-ss-like-uniforms-of-japanese-rock-band/

■サイモン・ウィーゼンタール・センター（SWC）のHPに掲載された抗議文

2011.2.28　MTV Japan should apologize for airing interview with rock group dressed in Nazi garb; urges Kishidan to drop SS-like uniforms：SWC
http://www.wiesenthal.com/site/apps/nlnet/content2.aspx?c=lsKWLbPJLnF&b=4441467&ct=9143681

この抗議文の中では、*2

many young Japanese are woefully uneducated about the crimes against humanity committed during World War II by Imperial Japan in occupied-Asia, let alone about Nazi Germany’s genocidal “Final Solution” against the Jews in Europe.

多くの日本人の若者は、ヨーロッパのユダヤ人に対してナチス・ドイツが行った大量虐殺計画はおろか、第二次世界大戦中に大日本帝国占領下のアジアで犯した人道に対する罪について、はなはだ無学である。

とも言及されています…。また、「ホロコーストの生存者を日本に連れて行く用意もある」 とも。
今回の件で、ABCニュースなどの海外のニュースサイトでは引用した部分も含めて言及されているものが多いのですが、日本の新聞社サイトではまったく言及されていないようなのでメモしておきます。

*1:サイモン・ウィーゼンタール・センター（Simon Wiesenthal Center）は1995年に文藝春秋の月刊誌『マルコポーロ』が「ナチ『ガス室』は捏造だった」とする記事を掲載したときに抗議を行った中心的な団体でもあるようです。（参照：wikipedia:マルコポーロ事件

*2:訳がおかしかったらコメント欄でご指摘ください。