釣り名人のシートン先生でも、この共産党批判はヒドイ(笑)

共産党に一票!?冗談でしょ - シートン俗物記

シートン先生は釣り名人である。それを承知で全力で釣られることにします。だってあまりにヒドイんだもん。

なんでも、「2001年の静岡空港の是非を問う住民投票静岡県知事選を巡る」共産党の選挙戦略の幼稚さは「自民党の補完勢力化」だそうです。

ちょっと待ってください! 共産党の票を足しても勝てないものを、どうすれば共産党の戦略が悪いからと責任転換できるのでしょうか。共産党が頭の固すぎる組織だったり、戦略が悪かったり、そういった党としての欠陥に対する批判ならともかく、自分が支持する候補者の戦略の無さを棚に上げ、選挙協力しないからという理由でスケープゴートに利用するのはいかがなものかと思います。

そもそもなぜ、共産党が民主・社民推薦候補者に相乗りすることで逆に反共的な人が票を控えるとか、共産党の支持者でも勝てそうにない候補者より勝てそうな候補者へ柔軟な投票行動をする人がいるとか、そういったところへの想像力はゼロなのでしょうか。さすがにこれは逆恨みとしか思えません(笑)

何の取引も無く選挙臨みながら見事なまでの自民党に対するアシスト。共産党自民党とグルではないか?

一般の共産党員は共産党の選挙に限らず政局に対する戦略・戦術の無さをどう捉えているんでしょう?それで構わないという事なのか。共産党員やシンパを糾合すれば、それなりに政局を動かす力になりえます。しかし、それを巧く活用する事をしない。投票しても死票。当選しても死議席。なぜ他政党への消極的・積極的関与を通じて自分たちの掲げる政策を少しでも実現していこうとしないのか。


「見事なまでの自民党に対するアシスト」、この手の批判をする人たちを結構みてきました。
ちょっと待ってください! なにか忘れていませんか。自民党に対する選挙協力に関して、わりとリベラルな政策を持つ公明党の存在を。公明党の組織票が、どれだけ長い間、自民党を与党に居座りつ続けさせたことか。これを無視してなんで共産党が悪いってなっちゃうわけ?

普天間移設や築地移転の問題はどうなの? 選挙に勝ったとたんに約束を破り自公政権と変わりのないことをしている連立政権やオール与党、どこかにありませんか。地方選挙でも見ますね。自民、民主、公明、社民推薦候補vs共産推薦候補という構図。「見事なまでの自民党に対するアシスト」という批判はこれらの政党にも向けられるべきものではないでしょうか。

だいたい、いまって2010年ですよ。2001年の1地方都市の選挙事例でもって、共産党の存在意義そのものを否定しようとするのは、ちょっと性質の悪い批判のやり方ではないかと思います。最近の選挙では共産党は立候補を立てなかったり、選挙協力をしている事例がいくつもあるってのにさ。

まあ、共産党の戦略がダメというのは、わたしもそう思うときが多いですよ。イラつかされるときだってありますよ。でも、その反面、その時々で主張が違うのに勝てそうな候補者ってだけで迎合してしまうようなことをせず、主張を貫き筋を通していく、そんな愚直な姿勢に好感を持ったりもしています。

なにより、政党助成金をもらわず、新自由主義に反対し、大企業を批判し、歴史修正主義を批判し、アメリカ、中国、北朝鮮にも言うべきことは言う、そして徹底して弱者の側に立つ、そんな政党は他にありません*1

最後に、社民党について口の悪い人は「金魚のフン」という言い方をする人もいますが、それぞれの政党がそれぞれのやり方で政策実現に向かっていけばいいわけであって、現状では、社民は与党の内側でストッパー的な役割を果たし、共産は野党として外側から政権を正して行く。協力できるところは協力する。各選挙区ではそれぞれ個人、個人が、党派性にとらわれないで、候補者ひとりひとりの資質を見て柔軟な投票判断をする。それでいいのではないかと思います。

*1:まぁ正直、褒めすぎだろと思いますが